「Five Toes Socks」

 寒くなり、室内ばきとして、クロックスをはいています。
 いつのころからか、足の指先に痛みを感じ、関節の一段と高くなったところに違和感をおぼえるようになりました。それが“靴ずれ”だとわかったのは、つい最近のことです。自由度の高いクロックスでは、つま先は前へ前へといく傾向にあり、そしてほどなくゆきづまり、圧迫されることになります。それは階段を降りる際に顕著に認められました。原因がわかり、気をつけるようにもなり、多少改善されましたが、面白くありませんでした。
 見ると、室内用の介護シューズをはき、ずり足で歩く父にも同様の、私以上のことが起きていました。指の変形さえみられました。うかつでした。クロックスをはくのをやめ、適当な上ばきにはきかえればいい、という私だけの問題ではなくなりました。
 クロックスを脱ぎ、指のつけ根で床を押すようにして足の指を広げるとせいせいします。普段いかに足を窮屈な場所に追いやっているのかがよくわかります。ついでに、手のひらを開くとやはり “快”の感覚が得られます。のびをする。背筋をのばす。胸をはる、つま先立ちをする。ときに、身体を解放し、風通しをよくすることの意義を思います。
 足の指を放ち、摩擦係数を大きくすればいいならばと思い、一昨日「ユニクロ」で五本指のソックスを買ってきてきました。予想以上の効果に、ほくそ笑みました。しかし、「ユニクロ」のソックスは薄手で、この時期には重ねばきをしなければ寒く、厄介ですので、早速、「モンベルオンラインショップ」で「メリノウール トラベル 5トゥーズソックス」を三足注文しました。今日中には届きます。是とでるのか、非とでるのか、今年最後の運だめしです。
 足の指はなく、あるのは「toe(つま先)」ばかりです。私たちには、20本の指がありますが、英語圏の人たちには、10本の指(finger)しかありません。今回、「5トゥーズ」の表記をみて、不思議に思いました。「つま先」が五つ、十(とお)の「つま先」をもった人種。早速辞書に当たると「足指 / 足の指は全部 toe とよぶ / 可算名詞」と書かれており、安心しました。
 「5トゥーズソックス」。さすがにモンベルさんに手ぬかりはなく、「吉」とでて、父子二人して、快適な年末年始を約束してくれるものと、安心しきっています。