詩一篇_木坂 涼「魚(うお)と空」
木坂 涼「魚(うお)と空」
光村図書出版『国語 1』(70-71頁)
急降下。
鳥が
翼(つばさ)で
海を打つ。
鳥は
もう摑(つか)んでいる。
波は
海のやぶれ目を
ごまかしている
魚は
海を脱(ぬ)けでる
初めて そして
たった一度だけ。
空の高見(たかみ)で
もうひとつの空へ
のまれる
「海のやぶれ目」の意味が解らない子どもたちが結構います。「もうひとつの空」とは、「彼岸」という意味なのでしょうか。
釣り上げた「ちびっこバス君」を宙づりにすると、「キョトンとした顔つき」をしてぶら下がっていることがあります。はじめてふれた世界に何が起きたのかわからないのでしょう。「ちびっ子バス君」たちにとっては、手荒い洗礼です。水面とは、水中と空中を分かつ一枚のフィルムです。釣りとは、一枚のフィルムをはさんでの攻防です。
釣り上げた「ちびっこバス君」を宙づりにすると、「キョトンとした顔つき」をしてぶら下がっていることがあります。はじめてふれた世界に何が起きたのかわからないのでしょう。「ちびっ子バス君」たちにとっては、手荒い洗礼です。水面とは、水中と空中を分かつ一枚のフィルムです。釣りとは、一枚のフィルムをはさんでの攻防です。