岡潔「すべて成熟は早すぎるよりも遅すぎる方がよい」

「はしがき」
「人の情緒と教育」
岡潔『春宵十話』角川文庫


 「人の中心は情緒である。情緒には民族の違いによってろいろな色調のものがある。たとえば春の野にさまざまな色どりの草花があるようなものである。」(3頁)

「人に対する知識の不足が最もはっきり現われているのは幼児の育て方や義務教育の面ではなかろうか。(中略)早く育ちさえすればよいと思って育てているのがいまの教育ではあるまいか。(中略)成熟が早くなるということに対してもっと警戒せねばいけない。すべて成熟は早すぎるよりも遅すぎる方がよい。これが教育というものの根本原則だと思う。」(10頁)

「早教育」は、やめたほうがいい。一利なしである。

以下、
岡潔「情緒、その人の中心をなすもの」
です。