五木寛之講演「見て知りそ 知りてな見そ」

学生時代キャンパス内で、二年連続二回にわたって五木寛之さんの講演をお聴きする機会に恵まれました。
五木寛之さんは、その都度、
柳宗悦の、
「見テ 知リソ 知リテ ナ見ソ」
についてのお話しをされ、強く印象に残っています。

古典文法で「な〜そ」は禁止の意を表すことを、高校時代に教わった記憶があります。

下記、「見テ 知リソ 知リテ ナ見ソ」★「心偈(こころうた)」さんのサイトからの孫引きです。近日中に出典にあたりたいと思っています。
「見テ 知リソ 知リテ ナ見ソ」は、柳宗悦の『心偈(こころうた)』の中の言葉だと記されています。『心偈』の「自偈自注」の中には、
「『ナ見ソ』とは『見るな』という否定語。ここで『見(けん)』といふのは、直觀の意味である。『知』といふのは概念のことである。先づ直觀を働かせて得たものを、後から概念で整理せよと云うものである。(中略)『知るより前に見よ』『知ることを先にして、見ることを後にしてはしけない』」
と、書かれているとのことです。

小林秀雄さんの「直覚と分析」について思いをめぐらせています。次回は、「直覚と分析」です。

以下、
小林秀雄「直覚と分析」
です。

下記、余談です。
講演で、「遊郭の話をしてもよろしいでしょうか」との五木寛之さんの事前の打診に対して、東大では「それは困ります」と丁重にお断りされたそうですが、早大では「結構です」との寛容なお答だったそうです。「人は信ずるに足る」という結構なお話でした。