武満徹「◯と△の歌」_武満徹さんの四つの詞によせて その三
河合隼雄さんは、『子どもの本を読む』岩波現代文庫 のなかで、長新太さんの絵本『つみつみニャー』あかね書房 について以下のように書かれています。
本当に考えてみると、三角と円とは実に根源的な形で、この二つを組み合わすとどんなものにでもなると言いたい位である。あるいは、現実をデフォルメして根源的な形を求めていったら、円と三角になるのかもしれない。このあたりは画家としての長新太の面目がよく出ているし、その発想が奇想天外であるが、いい加減でないことを示しているとも考えられる。有名な禅僧の仙崖の筆で、円と四角と三角とを描いて、世界と名づけたのがあったことも思い出す。
武満徹さんの書かれた詞のタイトルを、『◯と△の歌』から、『つみつみニャー』に変えても十分にイケそうな気がしています。『◯と△の歌』は、それほどまでに「奇想天外」であり、「根源的」な歌です。