「庭師の一服」

出典は定かではありませんが、一年に一度、文藝春秋から発刊されていた、『ベスト・エッセイ集』で読んだような気がします。近日中に出典にあたります。

「庭師の一服」という言葉があるそうです。庭師さんは十年後、二十年後の庭を思い描きながら、一服するのだそうです。慈愛に満ちた長い目で、庭の行方を見つめる庭師さんの一服は貴重です。

一服するのですから煙草をくゆらすわけですよね。刻み煙草を煙管で吸うのがよく似合います。嫌煙権やら禁煙権が叫ばれ、喫煙場所にも事欠くようになった昨今は、庭師さんにとって、ひいては庭木や庭の千草にとっては、受難の時代といえそうです。