「我が家の庭の砂漠化」


シルバーさんに、除草と庭木の剪定をしていただきました。晩春に除草をしていただいて以降、手を入れておらず庭は荒れ放題になっていました。夏の酷暑に草々も息たえだえでしたので、一日延ばしにして時機をうかがっていました。

その後、地肌がむき出しになり、このところの好天続きでカラカラに乾ききっています。風が吹けば土ぼこりがたちそうな気配です。これをキレイと呼ぶのでしょうか。私の目には砂漠化の進行としか映りません。

家人が除草作業をしていた頃は、自生した苔をいためないように草を一本ずつ丁寧に抜いていました。「草抜き」をしていました。他人にお願いすると、他人は草も苔もおかまいなく「草かき」をするものですからまたたくまに砂漠化してしまいました。祖父が大切にしていた樫の木も枯れ、細葉は乱伐され哀れな姿をひと目にさらしています。

 出典は定かではありませんが、一年に一度、文藝春秋さんから発行されていた、『ベスト・エッセイ集』で読んだような気がしてならないのですが…。
 「庭師の一服」という言葉があるそうです。庭師さんは十年後、二十年後の庭を思いながら一服するのだそうです。慈愛に満ちた長い目で、庭の行方を見つめる庭師さんの一服は貴重です。