「先生と言われるほどの…」


「先生と言われるほどの馬鹿でなし」

先生と呼ばれることに抵抗があります。開塾後数年間は「さんづけ」で呼ぶように言っていました。子どもたちが「先生」の呼称を使うたびに、あらためるように言っていましたが、「さんづけ」が定着するまでには数ヶ月の月日がかかります。めんどうになり、そしてあきらめました。時には「お父さん」ととんでもない呼称で呼ばれることもあります。

たとえばコンビニで、すこし離れた所にいる子どもが、私のことを「センセイ」と呼ぶと、店内にいる人たちがこぞってこちらを見ます。注視に耐えられず、そんなときには、私も後ろをふり返ることにしています。

慶應義塾大学では、先生は福澤諭吉ただ一人であって、あとは皆「さんづけ」だそうです。

スーパー「一期家一笑」の店長さんは、私にご依頼ごとがある際には、私のことを「先生」の呼称で呼び、その他のときには「君づけ」です。みごとなまでに商人(あきんど)です。商人です。また、ご近所のお年寄りの方々にはいまだに「ちゃんづけ」で呼ばれています。全く違和感がないのかといわれれば、そうでもありません。