「豊橋市中央図書館」という名の虚ろな空間 その二


2015/08/15 以降にも何度か、「豊橋市中央図書館」という名の虚ろな空間にお邪魔しました。


インターネット上からの「孫引き」は怖く、図書館で必ず出典に当たるようにしています。出典と照らし合わすことができない場合には、「お断り」を書くように心がけています。そんなこんなで、ブログを書きはじめてから、図書館とすっかりお友達になってしまいました。


「『豊橋市中央図書館』という名の虚ろな空間」のブログが書きかけのままになっています。図書館に行き、その都度職員の方々にお世話になっているうちに、はじめの勢いはどこへやら、私の舌鋒は鈍くなるばかりで、情けなく思っています。

今日は、小林秀雄『私の人生観』角川文庫 を借りてきました。昭和二十九年初版、昭和五十六年発行の文庫本です。私が二十歳のときに発行されたものです。当時の文庫本の活字はこんなにも小さかったんですね。定価 220 円と記されています。小学校六年生のときに買った漱石の『坊っちゃん』の文庫本は 90円 でした。今は小学生のおこづかいで、文庫本を買うのは難しいんでしょうね。不自由な時代になったものです。



「中央図書館には、中井久夫さんの本が一冊もおいてないんですね。中井久夫さんは高名な精神医学者ですし、その著作はご専門の分野だけではなく多岐にわたっています。ちくま学芸文庫にもありますし、図書館に一冊もおいてないのはどうかと思いますが」と司書の方に伝えました。その場でインターネットで検索され、「この方ですか、検討しておきます」とのご返事でした。「よろしくお願いします」と言い、カウンターを後にしました。中央図書館の検索で、中井久夫さんが、また中井久夫さんの著作が表示される日を楽しみにしています。

追伸:Amazon で検索していると『
中井久夫の臨床作法 (こころの科学増刊) 』日本評論社 が見つかりました。2015/09/09 に出版されたばかりのムックです。

「内容紹介」には、
「精神科医・中井久夫が患者と家族に接する流儀は、絶望の淵にある人びとの治療への士気を高め、「希望」を処方することだった──その卓越した治療観から学んだ人びとによる中井流対人作法のエッセイ決定版!」
と、記されています。地方暮らしでは、書店で本を実際に手にとって見ることがなかなかできません。図書館だけが頼りです。地方都市ほど充実した図書館が必要なように思っています。