シリーズ授業「小学生との一対一です」
小学生のうちは遊んでいればいいと思っていますので、何件かの入塾のお申し込みをお断わりしてきましたが、今回は知人のお孫さんということでお断りすることができず、はじめて小学生とおつき合いすることになりました。算数がその中心です。反復練習ばかりで驚いています。
お母さんは、「私が勉強をみると、すぐに怒ってしまいます」とおっしゃられていましたが、「待つ」ことができずに感情的になるのは論外です。河合隼雄さんは「余計なことをしない、が心はかかわる」とおっしゃられていますが、こと一対一の授業に関しては、「余計なことをしない」ように気をつけながら、頃合いを見計らって口を出すことが重要だと心得ています。「気配を読み取る」ことは臨床心理学でも授業でも同じことです。「気配を読み取」りながら、どのタイミングでどんなことばをかけるかが重要です。「気配を読み取る」ことは「察する」ことと同じ意味だと解釈しています。待つことは苦にならなくなりましたが、心の内を察して適当なことばを探すのは容易なことではありません。子どもは言葉の数が少ないのでなおさらたいへんです。長い間に蓄えた持ち合わせのことばはありますが、それでは間に合わないこともあります。上手くことが運ぶと、「あっ」という感動詞が口をついて出てくるとともに、表情が一変して明るくなりますので、安心もしうれしくもなります。
授業の前半は、いつも通りにゆったりと構えてKくんに寄りそっていましたが、昨日はたくさんの算数の宿題があり、一時間ではとても終わりそうにありませんでしたので、後半は私が主導権を握り、さっさと宿題を終わらせました。宿題を終わらせたKくんのほっとした表情が印象に残っています。宿題を家に持ち帰ることは、私との信頼関係がゆらぐことにもなりかねません。反復練習ばかりですので、次回時間をかけてやろうと思っています。私なりにやっています。 “いい加減”にやっております。 “適当”にやっております。