「そっと起こす」その一


塾で午睡をする子どもたちがいます。私が昼寝をすることもあります。スペインでは、シエスタと呼ばれる昼寝の習慣は大切にされています。昼寝をすると疲れがとれ、リフレッシュします。二度目の朝を迎えたような爽快感があります。

睡眠には眼球の運動をともなった浅い眠りのレム睡眠と、眼球の運動をともなわない深い眠りのノンレム睡眠とがあります。

脳が働いている浅い眠りのレム睡眠時に起きると目覚めがいいので、私は子どものまぶたをそっと上げ、眼球が動いていることを確かめてから起こすようにしています。眠りについてからおよそ一時間半から二時間後のことです。または、たとえ一時間後に起こしてください、と頼まれていたとしても、自然に起きるまで放っておきます。

レム睡眠時には脳は働いていますので、寝ているからといって、うかつなことを言うのは禁物です。しっかり聴いています。聞こえています。何度かの失敗を経て、得た教訓です。

寝た子を起こすにはタイミングがあります。