村上春樹「僕の作品は誤読の集合」

茂木 (前略)へんな人も確かにたくさんいるんだけど、そのへんなベクトルの向く先が人によって皆違う。村上春樹さんが、「僕の作品は誤読の集合」と書かれていた、とおっしゃっていましたが、一個一個つきあっていくと大変なんだけど、全部集めてみると、ある姿を取り始めますよね。(143頁)

本の読み方には、その人となりが出て、著者の手の届かない「あなたまかせ」の世界であることは想像に難くありませんが、共通項としての「ある姿」というのは、作者の意図と、おおよそにおいては似通ったものになるのでしょうか。 興味の尽きないところです。