「くるぶしソックス」


ハーフパンツに裸足、外出時には裸足にサンダル履きという恰好で一夏を過ごしましたが、この季節になるとさすがに寒く、靴下をはきローカットのトレッキングシューズで出かけるようになりました。足元を見ると、すねの下まで間のびした靴下はどうしようもなくだらしなく不恰好でしたので、くるぶしソックスを買ってきました。くるぶしソックスに挑戦するのは、これが二度目です。はじめてのときには、あまりの違和感に耐えきれず、一度足を通しただけで他人にあげてしまいました。今回の試みは今日で三日目になります。しだいに違和感は薄れてきたとはいえ、全く払拭されたというわけではなく、くるぶしの辺りが圧迫され、また涼しく感じられ、心もとない感じがしています。「膝っ小僧がさむい」のは年中のことですが、くるぶしまでもがさむいのはいかにも頼りなく、しかし、足元を見るといかにも精悍でいかにも軽やかで、くるぶしソックスは手離せそうにありません。くるぶしソックスの着用前後では心のもち方が、立ち姿が、歩く姿勢が明らかにかわりました。衣服のデザインや色づかいが人の心に影響を与えるのと同じことです。足取りも軽やかに、時にはこのまま駆けだしたいような気持ちになることもあります。