「 そっと起こす」その二 堀忠雄『快適睡眠のすすめ』岩波新書
〈狐〉『水曜日は狐の書評 日刊ゲンダイ匿名コラム』ちくま文庫(134-135頁)
「不眠不休という「美徳」をガツンと張り倒す」
「そうではあろうと感じてはいたが、日本人の睡眠時間は、世界的にもきわだって短いという。」
「しかし、日本人はもともと世界一の「短眠民族」であったのではない。」
「ところが「とほうもない速さで夜型化が進行し、大人も子どももすべてを巻き込んだ国民的規模で、夜ふかしが日常化している。」これは世界にも類がない現象であるが、それを危ぶむ声が起こらない ー というのが著者の問題意識だ。」
「どうすればよいのか。そこで著者がとなえるのが、シエスタすなわち昼寝である。じつは著者(および著者の周囲のグループ)は、長年にわたって昼寝を研究してきた。その成果は高い。」
「不眠不休でがんばるというのが、私たちの美徳の一つである。この美徳を、地道な研究で、ガツンと張り倒す。すごいことではないか。」