長新太『つみつみニャー』あかね書房 その二


長新太さんの『つみつみニャー』を読み直しました。ゆっくりゆっくり時間をかけて読ませていただきました。「あとがき」に「文と絵の相乗作用が肝要なのです。」と長新太さんが書かれている通りに、文と絵が上手く響き合って、相乗効果が生まれ、愉快で、楽しくって、おかしくってたまりませんでした。絵は細部にいたるまで描きこまれていて、また筆の運びによる色の濃淡までが、はっきりとわかりますので楽しみは尽きません。「ほとんど天才」であり、「ナンセンスの神様」の異名に恥じない作品でした。

読んで楽しければそれがすべてであり、批評も批判も解釈もどうでもいいのですが、やはり河合隼雄さんが読み解かれた『つみつみニャー』は気になります。早速 河合隼雄『子どもの本を読む』岩波現代文庫 所収の「長 新太 『つみつみニャー』他」を読ませていただくことにします。