「とにかく一ケタ違った本多勝一」

「四ケタで点を打つ運動」158-160頁)
「ここでとりあげる『数字表記の際の点(コンマ)の打ち方』もまた、明白に不合理なまま強引な “慣習 ”として 一般化を押しつけられている例であろう。」
「たとえば 100,000,000 という数字表記を見て、もし一目で読める日本人がいれば、それは銀行マンや会計係のような、こういう表記になれた特別な職業の人とみてよいだろう。普通の人は、いちいちマルを数えないとわかりにくい。これでは何のために点を打ったのかわからなくなる。」
「なぜか。日本語は四ケタごとに(万、億、兆と)呼称単位が変わる万進法だからである。 」
「◆ 123,4567,8912,3456
例えば、「四ケタずつ」に区切られた上記の数字は、「123兆 4567億 8912万 3456」と簡単に読むことができます。」
「なお、欧米は三ケタごとに「thousand(1,000)」,「million(1,000,000)」,「billion(1,000,000,000)」と呼称単位が変わる「千進法」ですから、「三ケタずつ」に区切られた下記の数字は、
◆12,345,678,912
「12 billion 345 million 678 thousand 912」
と容易に読むことができます。」
「遠山啓(ひらく)氏(数学者)の言葉を借りれば、(中略)日本語は四ケタでないと不合理だし、使いにくい。三ケタ区切りは明治の欧化政策で直輸入したまま一般化したもので,物まねの典型といえます。」
「『植民地的三ケタ法』とも『植民地的愚挙』とまでもいっています。」

◆ 2015/08/15
本多勝一の著作で、いま私の手元にあるのは、
◇『日本語の作文技術』朝日文庫
◇『山を考える』朝日文庫
◇『カナダ=エスキモー』朝日文庫
◇『植村直己の冒険』朝日文庫
◇『北海道探検記』集英社文庫
の五冊の文庫本だけです。
 では、私は「日本語の四ケタ区切り」について、どこで知ったのでしょうか。
 いまのこの時代、記憶の断片さえあれば調べがつきますね。ひと昔前では考えられなかったことです。有り難い時代ですね。