シリーズ授業「高遠な理想と現実のはざまで」


シリーズ授業「高遠な理想と現実のはざまで」

下記、「佐藤初女さん、こころのメッセージ」より引用させていただきました。

 佐藤初女さんは、青森県の弘前にお住まいで、岩木山の麓に「森のイスキア」という心と命を感じる施設を建て、そこを訪ねる方々を心のこもった料理でもてなしています。初女さんと森のイスキアは、映画「地球交響曲 第二番」で紹介されたことですっかり有名になりました。そして、全国からたくさんの人が、初女さんに会いにやって来るようになりました。
 「初女さん伝説」とも呼べる数々のエピソードがあります。たとえば、初女さんの作ったおにぎりを食べたことで自殺を思いとどまった人がいます。見た目はのりで包まれた丸くて何の変哲もないおにぎりです。おにぎりの中身は梅干しですから、これもけっして特別のものではありません。握り方も、指先ではなく手のひらを使うということが彼女の特徴ですが、それほど特殊だとは思えません。
 それでいて、なぜ、彼女のおにぎりを食べると生きる意欲がわいてくるのでしょうか。彼女とかかわった人が、それぞれ自分なりの解釈をしているわけですが、私なりには、おにぎりの中のご飯一粒一粒にまで心を配っている彼女のやさしさ、思いやりが、悩み傷ついた人に生きる意味を思い出させるのではないかと、解釈しています。

 「おむすびを作るときは、お米の一粒一粒が息ができるようにと思って握ります」
初女さんの言葉です。 だから、ぎゅっとは握りません。お米が苦しくなってしまうからです。
  一粒の米の命にさえ心を配る初女さんの思いが、おにぎりを通して、食べる人に伝わります。
  一粒の米は、一人ひとりの人間に重ね合わせることができます。ともに取るに足らないちっぽけな命のように見えるけれども、こんなにも大切にしてくれる人がいると思うと、涙が出るほどうれしくなってきます。そして、「一粒の米が集まっておむすびになり、それを食べた人に生きる意欲と勇気を与えることができる」という感動的な話は、こんな自分でも何か役に立てるかもしれないという希望にもつながってきます。


子どもたちに佐藤初女さんの話をした後、
「あるったけの愛をこめて、僕がつくったおにぎりを食べると、心が軽くなったり、他人を思いやれるようになったり、礼儀正しくなったり、学ぶことが好きになり、おまけとして成績が上がったりと。あそこの塾はおにぎりをお腹いっぱい食べさせてくれるだけで、授業は一切やらない。しかし、塾に行くようになってから子どもがかわった。
 僕が授業をしているうちはマダマダで、おにぎりだけで勝負できる塾が、僕が思い描いている理想の塾です。」
と大真面目で子どもたちに話すと、私の実力を見透かした上でのことでしょうか、子どもたちはただニヤニヤしているばかりで、まともに取り合ってもらえません。

「操体」「野口体操」を取り入れた、体に気配りのできる学習塾を目指しています、と言うと、心ある何人かの方々からは「体が整えば自然に勉強もできるようになりますよ」との有り難いお言葉を頂戴いたしましたが、田舎町で下手に口にしようものならば、怪しい塾と噂されるのがオチで、公に向かってはとても言えません。田舎住まいの悲しい現実です。


野口三千三「野口体操」