橋本敬三「操体」(全)


「生体の歪みは自分で治せます。その一」

◇橋本敬三『からだの設計にミスはない ―操体の原理―』たにぐち書店
◇橋本敬三『生体の歪みを正す―橋本敬三論想集』創元社
◇橋本敬三『誰にもわかる操体法の医学』農山漁村文化協会
◇橋本敬三『万病を治せる妙療法―操体法』農山漁村文化協会

◇当時仙台に居を構えていらっしゃったK大のP教授を訪ね、長逗留させていただきました。P教授のご紹介により、東北福祉大学の川上吉昭先生の研究室にお邪魔し、個人教授を授かりました。また、「温古堂」さんでは「操体」を実体験しました。心地よさに身を任せているうちに、しだいに体への意識がうすらぎ体を感じなくなりました。身のこなしが軽やかになり、宙を舞っているような感じがしました。

◇心と体は一つです。心身一如です。「操体」や「野口体操」については「カウンセリングのワークショップ」で知りました。

◇当塾では子どもたちの体の痛みに対処することもあります。子どもたちの足首や手首、膝や肘、腰の痛みは思いのほか簡単に治ります。が、女の子は体に触れられることを極端に嫌がりますので、「生体の歪みを正す」までには至りません。

◇当時、ほとんどの書籍は書店に注文して取り寄せてもらっていました。手元に届くまでに一週間から二週間かかりました。特別な分野の書籍ばかりでしたので、結構な値段がついていました。今ではインターネット上に惜しげもなく情報が公開されていますので、本を買い求めなくても概要を理解することができます。有り難い時代ですね。活用しない手はありませんよね。



橋本敬三 操体
「生体の歪みは自分で治せます。その二」

今朝起きると、腰痛で腰をのばすことができませんでした。しかし、「操体」で治せることは承知していますので、あわてませんでした。むしろ好機到来、人体実験をするまたとない機会です。「快」の方向を見極めるのに手間取りましたが、「快」の方向に体を動かし、気持ちよさを味わい、その後一気に脱力。これを三回繰り返すと痛みがとれ、楽になりました。まだ多少の違和感はありますが、生活に支障のない程度にまで回復したので、終了としました。後は自然治癒力を頼もうと思っています。

時が経つと、腰がまた痛みはじめました。今回はうつ伏せに寝て「カエル足」を試みました。右足の膝を体側に引きつけるように動かすと痛みを感じましたので、それ以上動かすことは止め、左足を動かすことにしました。「快」の感覚がありましたので、しばらくその姿勢のまま寝そべっていました。「カエル足」を繰り返し、右膝を上げた際に痛みがなくなったことを確かめ、左右のバランスがとれたことを確認して起き上がりました。

難しいことではありません。「生体の歪みは自分で治せます」。今までに、どれだけの人に、どれだけの言葉を費やし、そして、どれほどの書物やそのコピーを差し上げてきたかわかりません。しかし、反響は全くありません。今では、自分の体の歪みを自分で正すことさえできれば、それでよし、としています。それ以上のことは望んでいませんし、望んでも仕方のないことです。「余計なことをしない、が心はかかわる」態度でのぞもうと思っています



橋本敬三 操体「快の向かうところ」その一

昔からマンウォッチングが好きでした。学生時代には、文学部のキャンパスのスロープの端に腰かけて、目の前を行き交う学生たちをマンウォッチすることを「オカッパチ」と呼んでいました。「岡目八目」のことです。誰が言いはじめ、どういう経緯で言い習わされるようになったのかは定かではありませんが、言い得て妙な言葉です。
goo辞書には、
岡目八目 意味
事の当事者よりも、第三者のほうが情勢や利害得失などを正しく判断できること。囲碁から出た語。碁をわきから見ていると、実際に打っている人よりも、八目も先まで手を見越すという意から。▽「岡目」は他人がしていることをわきで見ていること。「目」は碁盤の目の意。「岡」は「傍」とも書く。
と、書かれています。


私のマンウォッチングの内容が、質が、体に対する見方が、考え方が、橋本敬三先生の書かれた操体の本を読んだ前後を境にしてガラリと変わりました。



橋本敬三 操体「快の向かうところ」その二

寝相もそれなんですね。体重力を利用して、骨格の凹凸を調節するのである。それも無意識で、潜在意識が自然療能をやってくれているのである。(橋本敬三『 生体の歪みを正す 橋本敬三論想集』 創元社 106-107頁)

骨格、体勢の観察をもっと深めてゆくなら、疾病との関連をもっと突きとめられると思う。(橋本敬三『 生体の歪みを正す 橋本敬三論想集』 創元社 107頁)

寝相といっても一概にバカにできないし、もっと素直に、自然の秘密と、その由って来たる理由を、聞く耳と眼をもちたいと思う。(橋本敬三『 生体の歪みを正す 橋本敬三論想集』 創元社 108頁)

無意識のうちの立ち居ふるまいは、「快の向かうところ」であり、治癒の方向であることを知った意義は私にとって大きなものでした。

「全国操体バランス運動研究会 京都大会」の帰路、偶然にも乗り合わせた電車内で、京都大学の槌田勘先生(「作文・小論文の文例集 /『小論文』に関する参考書 並びに参考図書のご紹介」の頁でご紹介してあります『地球をこわさない生き方の本』岩波ジュニア新書 の著者です。)とお話をする機会にも恵まれました。「操体の考え方は、生きる上での哲学にもつながりますね」(「快を生きる」ことだと自分なりに解釈しております)と仰られた槌田勘先生の言葉は今でもはっきりと記憶しています。



橋本敬三 操体「快の向かうところ」その三

私は、立っているときの、また椅子にかけている際の子どもたちの姿、特に脚や足の置き方を面白く観ています。時にはそれをまねしてみることもあります。すると、体が今 何を窮屈に感じ、どうして欲しがっているのかがよくわかります。

ごく稀なことですが、痛みを訴える子どもの、その痛みに対処するために、操体を試みることがあります。そんなとき荒療治からはじめることもあります。仰臥位で両膝をそろえて立てた子どもの、膝の裏を探ると、大小の別はありますが、ほとんどの場合、シコリが認められます。そのシコリを強くあるいはそっと圧します。すると子どもは体をクネらせて痛がります。そのときに見せた体の行方が、今まさに体が「快」と感じている方向であり、「治癒」の方向です。その方向を見極めたいがためにあえて荒療治をするまでのことです。この痛みをともなう荒療治を繰り返せば、生体の歪みは自ずと正され、痛みは消えるはずです。痛みをともなう施術での治癒の原理です。体が欲する「快」の方向にさからう動きを故意にさせ、その際に生じる痛みによる反射運動を利用して治療しているのです。そんなバカげた話はありませんので、私はその後 操体を試みます。「快の向かうところ」にしたがいます。



シリーズ授業「高遠な理想と現実のはざまで」

下記、「佐藤初女さん、こころのメッセージ」より引用させていただきました。

 佐藤初女さんは、青森県の弘前にお住まいで、岩木山の麓に「森のイスキア」という心と命を感じる施設を建て、そこを訪ねる方々を心のこもった料理でもてなしています。初女さんと森のイスキアは、映画「地球交響曲 第二番」で紹介されたことですっかり有名になりました。そして、全国からたくさんの人が、初女さんに会いにやって来るようになりました。
 「初女さん伝説」とも呼べる数々のエピソードがあります。たとえば、初女さんの作ったおにぎりを食べたことで自殺を思いとどまった人がいます。見た目はのりで包まれた丸くて何の変哲もないおにぎりです。おにぎりの中身は梅干しですから、これもけっして特別のものではありません。握り方も、指先ではなく手のひらを使うということが彼女の特徴ですが、それほど特殊だとは思えません。
 それでいて、なぜ、彼女のおにぎりを食べると生きる意欲がわいてくるのでしょうか。彼女とかかわった人が、それぞれ自分なりの解釈をしているわけですが、私なりには、おにぎりの中のご飯一粒一粒にまで心を配っている彼女のやさしさ、思いやりが、悩み傷ついた人に生きる意味を思い出させるのではないかと、解釈しています。
  「おむすびを作るときは、お米の一粒一粒が息ができるようにと思って握ります」
  初女さんの言葉です。
  だから、ぎゅっとは握りません。お米が苦しくなってしまうからです。
  一粒の米の命にさえ心を配る初女さんの思いが、おにぎりを通して、食べる人に伝わります。
  一粒の米は、一人ひとりの人間に重ね合わせることができます。ともに取るに足らないちっぽけな命のように見えるけれども、こんなにも大切にしてくれる人がいると思うと、涙が出るほどうれしくなってきます。そして、「一粒の米が集まっておむすびになり、それを食べた人に生きる意欲と勇気を与えることができる」という感動的な話は、こんな自分でも何か役に立てるかもしれないという希望にもつながってきます。


子どもたちに佐藤初女さんの話をした後、
 「あるったけの愛をこめて、僕がつくったおにぎりを食べると、心が軽くなったり、他人を思いやれるようになったり、礼儀正しくなったり、学ぶことが好きになり、おまけとして成績が上がったりと。あそこの塾はおにぎりをお腹いっぱい食べさせてくれるだけで、一切授業はしない。しかし、塾に行くようになってから子どもがかわった。
 僕が授業をしているうちはマダマダで、おにぎりだけで勝負できる塾が、僕が思い描いている理想の塾です。」
と大真面目で子どもたちに話すと、私の実力を見透かした上でのことでしょうか、子どもたちはただニヤニヤしているばかりで、まともに取り合ってもらえません。

「操体」「野口体操」を取り入れた、体に気配りのできる学習塾を目指しています、と言うと、心ある何人かの方々からは「体が整えば自然に勉強もできるようになりますよ」との有り難いお言葉を頂戴いたしましたが、田舎町で下手に口にしようものならば、怪しい塾と噂されるのがオチで、公に向かってはとても言えません。田舎住まいの悲しい現実です。


野口三千三「野口体操」


「操体です。野口体操です」メール便です。

Amazon より、
須永隆夫『リハビリに生かす操体法―入院中から在宅ケアまで』 健康双書ワイド版
をお送りしました。
好機到来(?)です。病院でのリハビリとはおよそ違うと思います。動かし方が全く逆だと思います。自分をモルモットに、ぜひ人体実験をしてみてください。転んで、ただで起きるのはもったいないですね。絶好の機会です。この機会に、ぜひ体の仕組みに興味・関心をもってほしいな、と思っています。
下記、「橋本敬三「操体」(全)」です。
http://jukuhinokuruma.blogspot.jp/2015/12/blog-post_65.html?q=操体
以下、「野口三千三『野口体操』」です。
http://jukuhinokuruma.blogspot.jp/2015/08/blog-post_43.html?q=野口体操
くれぐれもお大事になさってください。ご自愛ください。
TAKE CARE!
FROM HONDA WITH LOVE.
追伸:
訂正です。
下記、「「県内で甲子園に最も近い、とささやかれる女子高のその実力」です。
http://jukuhinokuruma.blogspot.jp/2015/12/blog-post_83.html?q=女子
お父さんやNさんの書棚に何冊かの「
操体」、「野口体操」に関する本があると思います。もしかすると「野口体操」の本はないかもしれません…。
今後 野球をする上での参考にしてください。
ぜひ、野球に生かしてください。
ご返信ご不要です。ご心配ご無用です。


お約束の第三便です。
昨夜早々のご訪問、どうもありがとうございました。「統計」からおおよその見当がつきます。法の規制さえなければ、ネット上に残されたすべての足跡をたどることができると思っています。怖いですね。しかし、ないよりはあった方が断然ましです。
くれぐれもお大事になさってください。ご自愛ください。
TAKE IT EASY!
FROM HONDA WITH LOVE.
追伸:リハビリ、楽しみですね!!
体についての書籍、機会をみてまたお送りします。
当然、ご返信ご不要です。ご心配ご無用です。



2015/07/11 8:10、K大のP教授のメール:
塾長
肉体改造の真っ最中です。マッチョではなく、柔軟性の方です。
操体法では、「縮めてから緩める」ことが、コツのようですが、これは何をさしているのでしょうか?
Macの利点は使ってみて実感しますか?
P教授



On 2015/07/11 8:35, 本多勇夫 wrote:
「生体の歪み」は自分で治せます。 以下、「操体とは」です。
http://sotaiho.web.fc2.com/webtext/textsoutai/textsoutai03.htm
たとえば、
http://sotaiho.web.fc2.com/webtext/textsoutai/textsoutai14.htm
上記では「ひとり」でやっていますが。「ふたり」でやる(ささえてくれる人がいる)場合は、
http://sotaiho.web.fc2.com/webtext/textsoutai/textsoutai18.htm
かいつまんでお話しますと、仰臥位で両膝を立て、その両膝をそろえて、右に倒していったとき、どこかで痛みや違和感を感じたときには、「痛みは、もうこれ以上動かさないで、という体からのサイン」ですので、それ以上は動かさずに、そこを始点に反対の左の方向にゆっくり(水の中に手を入れて動かしたときに波立たない程度の速さで)動かします。そして、気持ちよさを感じたところで相手に支えてもらい、最も気持ちのいい力加減(ごくごく小さな力であることがほとんどです)で相手を押します。体を相手にあずけます。この際力を入れることに意識を向けるのではなく体全体を使って「快」を表現するようにします。局部だけではなく、体全体の歪みをとります。支えていると体じゅうが動いていることがはっきりと見てとれます。
連動させると効果的です。橋本敬三先生は一種類の操体法だけで治療を終えることもよくあったそうです
相手方は押された力を受け止めますが、このとき押された以上の力で押し返さないことが大切です。相手にとって「壁になる」ことが重要です。作用・反作用の関係です。これを「たわめる」と表現しています。そして、じゅうぶんに気持ちよさを味わった後、二人 同時に脱力します。「温古堂」さんでは「パッ」という先生のかけ声とともに脱力していました。その後、もう一度右側に倒していくと、はじめよりも深く倒れるようになっていることがほとんどです。そして、再び痛みや違和感を感じたところから左に向かってゆっくり倒していきます。「痛みや違和感」を感じたところを始点として、ということを、「軌道を修正する」という意味にとらえています。気持ちよさを感じるという表現をしてきましたが、ある程度体が整わないうちは、なかなか気持ちよさまでは感じられないと思います。「快」を感じられないほど鈍感な体になっているのだと思っています。私が子どもを相手に「操体法」を試みるときには「適当な」ところで支え、「パッ」というかけ声とともに二人一緒に脱力します。操体では動かす向きを間違えることはあり得ませんので、気が楽です。少々手荒なマネをしても、現状以上には悪くなることはありませんので、安心してモルモットになってもらっています。

痛みをともなう今のリハビリでの体の動かし方は誤っていて、全く逆のことをしているとのことです。操体の考え方にもとづいてリハビリを行えば、リハビリの期間が30%ほど短くなるそうです。当然 痛みは伴いません。

前に倒したいようでしたら、後ろに倒してみてください。右に倒したいようでしたら、左に倒してみてください。可動範囲が広がります。

「柔軟性」ということでは、「操体」よりも野口三千三(のぐちみちぞう)さんがはじめられた「野口体操」の方が適しているように思います。

「二足歩行することのできるヒトの体は、ネコの体よりも柔らかい」
「ヒトの体は、水の入った皮袋(水の入った風船)である」
という独創的な考え方をしています。後は下記のHPに譲ります。

「操体法」も「野口体操」も、愛知教育大学名誉教授の田中正一先生が主催された、カウンセリングのワークショップで知りました。心身一如です。

下記、「操体」のHPです。
http://sotaiho.web.fc2.com/
下記、「野口体操の会」ののHPです。
http://www.noguchi-taisou.jp/

では、では。
時節柄くれぐれもご自愛ください。
TAKE IT EASY!
FROM HONDA WITH LOVE.
追伸:Macの件に関しましては後ほどお送りします。また、Macは、昨日起きがけに電源ボタンを押し続けていたところ、起動しました。何かの不具合で強制終了したようです。

下記、つい先日HPにUPしました。

橋本敬三「操体法」
◇当時仙台市に居を構えていらっしゃったK大のP教授を訪ね、長逗留させて頂きました。P教授のご紹介により、東北福祉大学の川上吉昭先生の研究室にお邪魔し、個人教授を授かりました。また、「温古堂」さんでは「操体」を実体験しました。心地よさに身を任せているうちに、しだいに体が軽くなり体への意識がうすらいでいきました。身のこなしが軽やかになり、宙を舞っているような感じがしました。

◇「全国操体バランス運動研究会 京都大会」に参加させていただいた折には、早稲田大学の石井康智先生が司会をされており驚きました。早速ご挨拶にうかがいました。偶然にも乗り合わせた電車内では、京都大学の槌田勘先生(「作文・小論文の文例集 /『小論文』に関する参考書 並びに参考図書のご紹介」の頁にご紹介してあります『地球をこわさない生き方の本』岩波ジュニア新書 の著者です。)とお話をする機会にも恵まれました。「操体の考え方は、生きる上での哲学にもつながりますね」(「快を生きる」ことだと自分なりに解釈しております)と仰られた槌田勘先生の言葉は今でもはっきりと記憶しています。同郷の愛知県豊橋市内で開業されている鈴木整形外科の院長 鈴木裕視先生ご夫妻との出会いもありました。


野口三千三「野口体操」
◇野口三千三さんを知り、橋本敬三さんを知ってからは、私の体(=心)への関心は一気に広がりました。一つ一つを自分の体で確かめながら読み進めました。「鍼灸」を学び「操体」や「野口体操」にも精通した整体師になろうか、学習塾をやろうか、と大いに迷いましたが、「操体」や「野口体操」を取り入れた学習塾をはじめることにしました。

◇子どもたちの足首や手首、膝や肘、腰の痛みは思っていた以上に簡単に治ります。が、女の子は体に触れられることを極端に嫌がりますので「生体の歪みを正す」までには至りません。

◇当時 ほとんどの書籍は書店に注文して取り寄せていました。届くまでに10日から2週間かかりました。特別な分野の書籍ばかりでしたので結構な値段のつけられた書籍ばかりでした。今ではインターネット上に惜しげもなく情報が公開されていますので、本を買い求める必要はないくらいです。有り難い時代ですね。活用しない手はありません。


2015/07/11 21:22 K大のP教授のメール:
早々に詳細なメールを頂き恐縮しています。
野口体操は只者ではないですね!
・『無理をしなければ無理ができる』(野口語録)
・『次の瞬間働くことができる筋肉は、今、休んでいる筋肉だけである』(野口語録)
・『意識も筋肉も大事だからこそ無駄使いはしない』(野口語録)
・『柔らかさとは、次の瞬間における変化の可能性の豊かさである』(野口語録)
やっぱりP教授の黒幕は、W大でのすごい奴ですね!