「『待ったなし、出たとこ勝負』という真理」

 学生時代から河合隼雄の著作を読み継いできました。そのつど「待つ」ことの意義を思い、「待つ」ことを自分に課してきました。そのかいあってずいぶん悠長になりました。しかし今、ひたひたと忍びよる老いを前にして、舵をきることにしました。
 「待ったなし」です。
 「待つ」という粛々とした行為をも含めて、「待ったなし」です。「待つ」とは「待ったなし」に「待つ」ということです。気迫がちがいます。
 人生「出たとこ勝負」です。
 「歳月は人を待たず」とは、人には過去も未来もなく、人は常に時の最前線に立たされていることを意味します。  
 「待ったなし、出たとこ勝負」は真理であり、「待つ」とはその下位に位置するものです。
 順位を誤っていました。