白洲正子「福原麟太郎_大人の文章」


試験後、眠気にまとわりつかれています。数頁 本を読むと、横になりたくなり、横になると、そのまま眠ってしまいます。一時間ほどの午睡を、一日に何度となく繰り返しています。体の欲するままに、惰眠をむさぼっています。

「大人の文章」
白洲正子『名人は危うきに遊ぶ』新潮社(187頁)
 福原麟太郎氏ーーといっても今時の若い人たちは知らないであろう。英文学の先生で、研究のかたわら多くの名随筆を遺された。わずか四、五枚の原稿にも珠玉のような傑作があるが、珠玉とか傑作という言葉は実はこの先生にはふさわない。珠玉は珠玉でも、キラキラ光るダイアモンドではなく、翡翠のように幽玄な肌合いの文章で、傑作というより豊かな力を内に秘めた達人の芸であった。(後略)

ということで、福原麟太郎『野方閑居の記―福原麟太郎・自選随想集』沖積舎 を注文しました。古書です。午睡の間に間に、読ませていただこうと思っております。「眠りを覚ます上喜撰」になることと、楽しみにしております。