シリーズ授業「What is the most important of all things?」

今年もこの季節がやってきました。

東京書籍の中学校二年生の英語の教科書、『NEW HORIZON 2』で比較表現(同等比較・比較級・最上級)を学習し、章末問題の「やってみよう」に以下の練習問題が載っています。

すべてのものの中で何がいちばん大切ですか。
What is( )( )( )of all things?
     
答えは、the most important ですが、せっかくですので、毎年この問いに対する子どもたちの答えを聞くことにしています。
Life is.
Everyday is.
Now is.
そして、今年も…。
Money is.

「私、お金だーい好きッ」
と、何のためらいもなくあっけらかんと言われると、返す言葉もなく、むしろ感心してしまいます。誰もが言えることばではありません。人徳のなせる技です。太宰治の「性格の悲喜劇」という言葉を思い浮かべました。

そして、私は黙って、
Love is.
と板書しました。

「love ってなに?」
と、聞かれたときにはさすがに驚きましたが、
「愛ってなに?」
という意味だったのでしょうか。
ほとんどの中学生は「愛」を恋愛感情としか解していませんので、たとえば、親が子を思う気持ち、友達を見つめる優しい目、障害のある、またお年寄りの方たちを見守るあたたかな眼差し、これらもかけがいのない立派な「愛」です、と言って、「愛」についての話にキリをつけ、次の問題へと進みました。

「愛」についての授業を、ほんの数分で終わらせてしまうのはさびしいかぎりですが、今年も「愛」についての薄っぺらな授業に終始しました。