梅田望夫「アップルは三つ目のリンゴ」
梅田望夫,茂木健一郎『フューチャリスト宣言(2007/05/08 初版)』ちくま新書
梅 田 アダムとイブのリンゴ、次はニュートンのリンゴ、アップルは三つ目(のリンゴ)。梅 田 それで、自分たちは世界を変えると、彼らは言うんですよね。アップル初期の全盛時代といまのグーグルってかなり似ていると思う。若い人たちは「世界を変えるのは自分たちだ」と興奮していて、それははったりではない。マッキントッシュはPCの世界を変えたでしょう。いまから思えば、グーグルの変えた世界はもっとスケールが大きいけれど、でも当時のコンピューティング・リソースから考えたときのアップルのイノベーションというのも瞠目すべきものだった。(39頁)
「世界を変える」。世界が変わる。こんなにすてきな夢はない。そして、世界は変わった。こんな幸せなことはまたとない。
若き天才たちと同じ時代を生きた、また今まさに生きていることの、めぐり合わせの妙に感謝している。
長足の進歩の過程を目の当たりにした。若き天才たちの息吹にふれた。世界の変化が手に取るようにわかった。
寝食を惜しみ、入浴する時間もトイレに行く時間さえ惜しい、という若者たちの情熱によってもたらされた革命である。
ネット上の空間は性善説を前提としている。たとえ悪意がはびころうが、自由な空間であってほしい。もし悪意が善意を駆逐するようなことになれば、世の人間どもに愛想(あいそ)をつかし自爆すればいい、といえば悪口(あっこう)にすぎるか。