小林秀雄「学問の面白さは女遊びどころじゃない」(音声ファイル)


久しぶりの「音声ファイル」の添付です。ぜひ小林秀雄さんの声をお聴きください。
◇相当箇所は13:00 分からです。
小林秀雄さんのお話は、愉快ですね!痛快ですね!!

小林秀雄『現代思想について―講義・質疑応答 小林秀雄講演 第4巻』新潮CD 講演
「町人(分限者)たちは、なぜあんな(伊藤)仁斎のところにやってきたかというと、彼らは、酒は飲みやった。女はやった。あらゆる遊びはやったんですよ。楽しみは。ただ一つ楽しみは、学問という楽しみをしたことないんです。」

「学問というものを習ってみると、これほど面白いものはないということがわかった。そんなものは、女遊びどころじゃないと思った。」

「それで帰ってみると、なんだかものがわかってくるんだな。人間というものはどうして暮らすのが正しいか、ということがわかってくる。こんなうれしいことはないじゃないか。人間にこんなうれしいことはないじゃないか。そんな心持ちをみんなもってた。」

「そいでぇー、あの頃みんな、学問をしたいっていうのは、みんな、これあ人間の本能ですからな。学問をしたいなんてのは、本能ではなくなったのは現代ぐらいのもんです。ただ黙ってりゃ教えてくれるからね。だから欲望がないです。昔は黙ってりゃ教えてくれないから、だーれも。義務もないんです。学問する義務もないんです。」