「シリーズ授業_カンニングのすゝめ」

 「見つからなければ、カンニングをしてもかまいませんよ。なんでもありですよ。特に漢字の書き取り問題なんかは、わからなかったら、ちょと横を見ればすぐにわかることです。ばれたときには、即時退室を命ぜられますから、ばれないようにうまくやってください。これも実力のうちです。」
というと、毎年きまって非難の矢面に立たされます。
「お前、その顔でよくいうな」
という男の子にかぎって、手ひどく、こっぴどく、驚きもしあきれもします。
 入試は参加することに意義があるのではなく、合格することに意義があるのは至極当然のことです。いまだ退室の憂き目にあったとの噂は耳にしたことはなく、うまくやっていることと、想像をたくましくしています。