シリーズ授業「That summer, he became a part of the Alaskan wilderness.」

中学校三年生の英語の教科書『NEW HORIZON 3』東京書籍 (106-111頁)には、
「An Artist in the Arctic」
と題された、星野道夫さんについて書かれた文章が載っています。

学生時代、荒野に囲まれた 一枚のアラスカの村の写真に魅せられた星野道夫さんは、その村の村長さんに手紙を書きます。六か月が経ち返事が届き、星野道夫さんはその村に招待され、イヌイットの人たちと一夏を過ごしました。

その夏の体験を綴った文章の最終行には、
That summer, he became a part of the Alaskan wilderness.
と書かれています。

かっこいい一文ですので、かっこよく訳してください、と私は子どもたちに注文をつけましたが、いつまで経っても格好のつかない訳ばかりでした。そして、しびれを切らした私が、
That summer, he became a part of the Alaskan wilderness.
「その夏、彼はアラスカの荒野の一部となった」
「その夏、彼はアラスカの荒野の一部と化した」
と訳すと、意味がわからん、とのお答えが返ってきました。中学生とは、とんでもなく、とてつもなく、とても私のかなうような相手ではないことを再認識した次第です。

私が授業中に説明したどれだけのことが、子どもたちに伝わっているのかは、私にはわかりません。私のあずかり知らぬことです。「あなたまかせ」の世界です。村上春樹が「僕の作品は誤読の集合」と述べているそうですが、さもありなんと思っています。

以下、
です。

下記、
です。