齋藤孝,梅田望夫「福澤諭吉がロールモデル?」


齋藤孝,梅田望夫『私塾のすすめ ー ここから創造が生まれる』ちくま新書(21-22頁)

「明治と現代」
齋藤 (前略)「諭吉」なんて呼び捨てにしてすみません(笑)。慶應の人は、「福澤先生」と必ず先生付けで呼びますよね。以前、慶應大学で非常勤講師をしていた時、封書の宛名書きが「齋藤孝君」となっていて、教師が「君」とは妙だなと感じた記憶があります。慶應では、先生はただ福澤先生のみ、という絶対的存在なんでしょう。梅田さんのロールモデルの最初の大物が、福澤諭吉だったわけですね。
梅田 そうとも言えるでしょうが、僕の場合「福澤諭吉がロールモデル」と表立って言うのにはすごく抵抗があります。クリスチャンが「キリストになる」と言えないのと同じなんです(笑)。

「ロールモデル思考=あこがれる力」
齋藤 なるほど、そのくらい巨大な存在として現れるわけですね。(後略)