齋藤孝「人生は動詞で変わる」


齋藤孝「人生は動詞で変わる」
日本文藝家協会『ベスト・エッセイ 2013』光村図書出版

 動詞は、その人の生きる姿勢に投影されやすい。たとえば包容力のある人は、「包む」身体性を持っている。どんな形状のものもうまいこと「包み込んでしまう」風呂敷(ふろしき)のような柔軟さを持っている。この意見だけが正しいとか、これでなければダメだ、という考え方をしない。自分とは見解が違っても人の話に耳を傾けて「聞く」ことができ、相手を「受け容(い)れる」ことができる。行動や考え方に「包む」という動詞のもつ特徴が自然にあらわれて、その人のひとつのスタイルになっている。
 「名は体(たい)をあらわす」という言葉があるが、私はむしろ「動詞は体をあらわす」と考える。自分のスイッチになる「動詞」をたくさん持っている人は、自分のからだをベースにして心地よく生きる術(すべ)を知っている人だ。生き方のスタイルは動詞で変わる。人生は動詞次第だ ー。

以上、『2017年度受験用 愛知県公立高等学校 予想テスト』英俊社(58-59頁)からの孫引きです。近日中に確認します。

以下、
「地下足袋で歩きながら、つらつらと」動詞を大切にする。
です。ご参考まで。