「秋の湿原を行く_枯野抄」

 16:00 時に間に合うように家を出た。休日のにぎわいだけは避けたかった。車から降りると、陽が西に傾いていた。初時雨が冷気をもたらした。一つ季節がめぐった。
 初冬の湿原に渡された木道上を目を凝らして歩いた。時折遅咲きのスズカアザミとウメモドキの花を目にしたが、それらは冬の到来を告げるものだった。一日にして一変した。
 編を改め、「冬枯れの湿原を行く」を書こうと思っている。