「秋の湿原を行く_ゆく秋を惜しむ」

 深まりゆく秋の湿原に行ってきました。やむにやまれぬ十日の日数(ひかず)を経ての湿原は、冬支度に余念がないことと思われ、ゆく秋を惜しんできました。
 めぐる季節をうめしく思ってもしかたのないことですが、親しんだ季節には親愛の情があり、愛惜の情があります。
 しばし木道上に立ちすくみ、感傷にひたっていました。