司馬遼太郎講演「質実剛健」
「宇和島の独創性」
『司馬遼太郎全講演[4] 1998(II)-1991』朝日文庫
戦前の教育を考えますと、日本のどの中学にいっても質実剛健でした。
空念仏のようなものでした。
私の経験からいって、熱心に質実剛健を唱える豪傑ぶった人に、ろくな人はいませんでした。
かえって、軟弱で先生の目を盗んでサボっているような人が戦時中は勇敢でした。質実剛健は反文化主義であり、いまは流行りません。
誤解のないように言いますが、質素ということは大事ですよ。
(後略)(349-350頁)
「健康」も「元気」も怪しくなってくる。