「妖しさに踵を返す」

 昨夜深更、花冷えのするなか、近隣の桜のご機嫌をうかがいにいってきました。
 三分咲きでした。
 街灯の灯に、白々と浮かびあがった桜は、薄ら寒く、妖艶でした。
 妖しさの下に正気を失いそうで、慌てて立ち去りました。
 逃げ帰りました。