「平成29年度から愛知県公立高校の入試制度が変わります_小坂井・豊橋南・豊橋西の動向」

一昨夜、教科書の改訂を知ってから、新入試制度についてあれこれと考えをめぐらせています。私は、2015/12/19 に、
「平成29年度から愛知県公立高校の入試制度が変わります_三河郡・東三河地区・普通科編」 
において
「公立高校の普通科に進学希望の、小坂井を第一希望校とする受験生は併願校に困ります。豊橋南はすべり止めにはなりません。例年県下でも有数の高倍率だった小坂井は大きく倍率を下げることになると思われます。」
と書きました。

しかし、小坂井の受験生に普通科の併願校がないのは、どう考えてもおかしく、腑に落ちませんでした。そして、めぐりめぐって下記のような考えをもつようになりました。これで合点がいきます。すっきりしました。


七つの高校を以下のように三つのグループに分けて考えることにします。

① 時習館、豊橋東
② 豊丘、国府
③ 小坂井、豊橋南、豊橋西

「② 豊丘、国府(ともにAグループ)」は、「① 時習館、豊橋東(ともにBグループ)」の二校に手のとどかなかった受験生の受け皿的な存在になります。「② 豊丘、国府」、特に豊丘の合格者のほとんどは、「① 時習館、豊橋東」との併願組で占められ、「② 豊丘、国府」を第一希望校とする受験生にとって、「② 豊丘、国府」、特に豊丘は狭き門になることは必至です。内申点だけとってみても、
「② 豊丘、国府」と① 時習館、豊橋東」との間には大きな開きがあります。


そして、③の「 小坂井、豊橋南、豊橋西」の三校は、①②の四校とは別の、独立したグループを形成する、と私は考えています。さらに、この三校は、小坂井(Bグループ)、豊橋南(Aグループ)、豊橋西(Bグループ)の順にランクづけされ、今後、「小坂井-豊橋南」、豊橋南-豊橋西」の二校受験が一般化すると思われます。小坂井と豊橋南を比較した場合、豊橋南は地理的に不利ですし、「豊橋南-小坂井」の序列になった場合には、小坂井が第一希望校の受験生に普通科の併願校がなくなってしまいます。


以上の私の憶測は、豊橋南をAグループに、豊橋西をBグループへと変更した県教委の意図と符合します。これは私の憶測というよりも、入試制度改革の「県教委のねらい」だと思います。ことは県教委の思惑通りに運ぶのでしょうか。各中学校では「進路指導」なるものが行われ、「指導」なしに受験することはできません。私たちのあずかり知らぬところで、県教委の意向が、中学校の先生方に伝えられ、方向づけられる可能性はじゅうにぶんにあります。恣意的な、不透明で美しくない入試制度改革にならないことを祈るばかりです。


いま私は、以上のように考えています。新入試制度によって、各高校は完全に序列化されることになると思います。


追記:

現行の入試制度の下では、小坂井と豊橋南の間には大きな学力差はありませんが、小坂井と豊橋西の二校の間には、内申点で最大10前後の大きな開きがあります。受験生は、小坂井と豊橋西の間に位置する高校を望んでいます。この受験生の要望に応えるのが新入試制度です。小坂井と豊橋西の間に豊橋南を位置づけ、「小坂井-豊橋南-豊橋西」の順位にすることによって、受験生の要望に応え不満を解消する、との考えだと思います。返す返すも、新入試制度の下、各高校は順位づけされ、序列化されるのは必至です。

大多数の高校の先生方は、序列化に賛成されると思います。同等レベルの学力の子どもたちを前にした授業は、圧倒的に組み立てやすいからです。解る授業、解りやすい授業は、子どもたちにとっても大いに意義があります。


それを「差別」というのか、「区別」と呼ぶのか、それは考え方しだいです。「平等」とは、とてもキレイな言葉ですが、「平等」イコール「悪平等」という現実も少なからずあるのも、またこの世の習いです。かといって、簡単に割り切ってしまいたくもないですね。矛盾は矛盾として心の内に大事にしまっておきたいものですね。


最後は話が変な方向にいってしまいましたが、悪しからず!!


追記:H28年12月中旬の保護者会において、小坂井の併願校を豊橋南にするように、との「指導」が中学校でなされています。今年ばかりは他のどこよりも、中学校が最も多くの情報をもっているのは確かなことです。県教委からの内達です。

◇新入試制度の下、はじめて行われた「平成29年度 愛知県公立高校入試」における、各校の志願状況、得点分布等につきましては、
『2018年度版 高校進学ガイドブック サクセスロード 愛知県』佐鳴予備校
を参考にしてください。書店に並んでいます。
 当初の私の予想とは異なった面もありましたが、数年を経ないと落ち着かないと思っています。小坂井と豊橋西のクラス数がひとクラスずつ減り、また豊橋南には教育コースが新設されました。背後にある県教委の意図について思いをめぐらせてきましたが、やはり行きつく先は、上記の考えに収束していく、とのとらえ方を、私はしています。
 あるいは、昨年度定員割れをした豊橋西は、A,B両グループから受験可能な時代がやってくるかもしれません。そうすれば、「小坂井-豊橋西」「豊橋南-豊橋西」の併願が可能になりますが、県教委の意図する「序列化」は退歩することになります。県教委があくまで「序列化」にこだわるのか、受験生の要望に耳を傾けるのか、静かに見守っていきたいと思っています。

各校の「推薦選抜等合格者数」が発表されました。
「平成29年度愛知県公立高等学校(全日制課程)入学者選抜における一般選抜等の合格者数について」
です。

以下、
『2019年度版 高校進学ガイドブック サクセスロード 愛知県』佐鳴予備校
です。ご参考まで。