年のはじめに_「そりゃ、あんたさん、なりふりかまわずですぜ」
辰濃和男『文章のみがき方』岩波新書(237-238頁)
内田百閒「そりゃ、あんたさん、死にもの狂いですぜ」の向こうを張って、
「そりゃ、あんたさん、なりふりかまわずですぜ」。
「内田百閒の信者」だと自称する随筆家、江國滋はこう書いています。
「あの名文をどんなふうにして書くのかと問われて百閒先生いわく。
『そりゃ、あんたさん、死にもの狂いですぜ』」
さらさらと一気に書いたように見える百閒の文章は、「死にもの狂い」の産物だったのです。