「白露の日の前々日に_初秋の湿原へと向かう道すがら」

 いま白い道を歩いていると思った。湿原へと向かう、林間につけられた小径を、ひとり歩いているときのことだった。利休の歩いた道だと思った。ひき返すことのできない道だと思った。それしき、と思えばそれしきのことだった。