「初秋の湿原を行く_サワギキョウをさがして」

 野分後の湿原に行ってきました。 
 湿原に自生する秋草にとって、野分はいっこうに気にならない様子でした。華奢なつくりの千草に風折れなし、といったところでしょうか。

「9/5 現在
 湿原では、シラタマホシクサ(白玉星草)が花盛りとなってきています。
 湿原から自然歩道を登っていくと、親子岩と呼ばれているチャートの岩の手前の沢沿いでは、まだ咲き始めですが、サワギキョウの紫色が目に飛び込んでくることでしょう。」

 掲示が書きかえられていました。『花かおる 葦毛湿原』ほおずき書籍 の著者である、吉田豊さんの手になるものとうかがったことがありますが、真相は知るよしもありません。
 自然歩道とは低山につけられた登山道のことです。思い当たる沢もあり、山道を登りました。急登ではたちまち足が重くなり、息が切れました。汗みずくになり、山行どころではないことを実感しました。
 「チャートとは生物の死骸が固まってできた堆積岩で、赤く硬く、主成分は二酸化ケイ素である」との受験知識をもってのぞみましたが、「沈」しました。
 サワギキョウの高貴な紫を目にしたくて、サワギキョウさがしを続けます。サワギキョウとなれば、サワギキョウしか眼になく、採集も辞さない勢いです。
    いよいよトレッキングです。地下足袋で足もとをかためます。