「野分き前の湿原を行く_コバノカモメヅルをさがして」

 つる性の植物であることをたよりに、目線を上げて歩くと、程なく見つかりました。星の形をした「暗紅紫色」の花がたくさん咲いていました。やはり案内が必要です。
 はじめてデイパックを背負っていきました。ショルダーベルト、チェストベルト、ウェストベルトを調節すると、いきなり姿勢がよくなり、あわてました。主客が転倒しています。矯正するのも、されるのもかないませんが、今回ばかりは心地よく、デイパックの意外な効能を知りました。
 空はどんより曇っていました。絶えず吹く風に、長尾池の水面(みなも)が波だっていました。無事を祈るばかりです。