「仲秋の名月」

 うかつでした。「朧月」とは「春の夜のほのかにかすんだ月」のことであり、他の季節に見られる、「薄雲にさえぎられて、ほのかに照る月」を「薄月(うすづき)」ということを、昨夜はじめて知りました。
 仲秋の昨日、月の出にはぼんやりした月が東の空にかかっていました。南中するころには、明るくなりましたが、薄月であることにかわりはなく、しばらくの間月を見上げて過ごしました。早朝には小雨が降り、西の空に月はありませんでした。
 薄月夜でした。天の計らいに粋も無粋もなく、今年の名月も名月は名月でした。