「今年はじめての単行本です。河合隼雄『明恵 夢を生きる』です」

河合隼雄『明恵 夢を生きる』京都松柏社
 『明恵 夢を生きる』は、1987/04/25 に出版され、間もなく読みました。学生時代のことです。明恵上人をはじめて知り、井筒俊彦を知り、はじめて華厳の世界に触れました。そして、井筒俊彦『叡智の台座 ー 井筒俊彦対談集』を求めました。『明恵 夢を生きる』には、白洲正子『明恵上人』新潮社 からのいくつかの引用がありますが、白洲正子の作品に親しむようになったのは、その後数年経ってからのことです。また、その前年には、河合隼雄『宗教と科学の接点』岩波書店(1986/05/15)を読みました。
 大切なことをそのままに、疎かにしてきたような気がしてなりません。手元にある本を見直します。「第七章 事事無礙」(272-298頁)を読みました。「華厳の世界」(284-290頁)の項に引かれた井筒俊彦の文章は明晰です。もう一度読み直すことからはじめます。