「七夕の日に」


 今朝、ご近所の七十四歳の畏友、小林宜央さんから、iPadの使い方を教えてほしいとのお電話があり、訪ねてきましました。小林さんにお会いするのは十数年ぶりのことでした。YouTube にUPされている2人の演歌歌手の動画が見たい、とのなんともかわいらしいご依頼でしたが、それがなかなか骨が折れ、苦戦しました。小林さんのお父さんと私の祖父は、豊和木工という名の会社を共同で経営し建具を作っていた時代があります。

 小林さんはこの五年あまりの間に大病を患い、何度かの手術を受け、さすがに衰えは隠せませんでしたが、その勢いとでたらめぶりは昔のままで安心しました。小林さんほど人生を愉快に遊びたおした人は珍しく、小林さんの、老・病・死は、いまだに考えられません。障がいを抱えた方たちが営まれている近所の喫茶店で、三時間をゆうにこえる長居を決め込み、とんでもない話をしていました。別れ際には、「これから困ったときにはお母さんといっしょに、本多君のところへくるで頼むぞ」と脅迫されました。「居留守は使うなよ」とも脅されました。

 とんでもない七夕の日を過ごしています。会いたさ見たさがつのって、七夕は一年に一度くらいがちょうどいいようです。