「モンテイ」


第二(一学期末)テストの二日前に国語の対策授業をしました。問題演習もふくめて三時間の場当たり的な授業です。国語の授業とは似て非なるものであることは、承知のうえでのことです。「文章を自分勝手に読むのではなく、作者の書いた通りに読むこと」という一点に関してだけは、毎回子どもたちにやかましくいっています。


「この一文は問題を、提出、提示している、問題提起の文ですよね」
と、確認すると、
「学校の先生は、いちいち『問題提起』というのは、長くてめんどくさいので、これからは『モンテイ』ということにしますといい、『モンテイ』といっています」
との言葉が返ってきました。

子どもたちには「モンテイ」という言葉をつかうことの是非を説明したのはもちろんのことですが、日本語をおろそかにあつかう国語の教師に教わっている子どもたちを気の毒に思いました。

ついでながら、この女性教諭は、日本語文法の授業らしい授業をすることなく、テスト範囲に指定してきます。四クラスある中三生の国語の授業を一人で担当しています。そこには他人の目はなく、意のままに授業内容を決め、進度を決め、勝手気ままに授業をすることができると、どうやらお考えのようです。しかし、子どもたちの目が光っていますよ。子どもたちの先生を見る目は厳しいですよ、とだけ申し上げておきます。