「『たりたり表現』、擬態語はひらがなです」
大野晋 上野健爾『学力があぶない』岩波新書
「大学生の学力について」より、川嶋優さんのご発言です。
それから文の約束がありますね。「たり」がきたら「たり」だよという「たりたり表現」、映画を見たり、テレビを見たり…それができていない。このごろ新聞も怪しくなりましたね。いつか文部省から出た文章を見たら、やはりできてない。「映画を見たり、テレビを見て」と。
(158頁)
それから、かたかなの使い方がわかりませんね。これは雑誌、新聞にも責任があるのです。小学校二年生で、かたかなの使い方はちゃんとどの教科書にも出ています。文部省で決めています。かたかなは外国人名・外国地名、外来語・擬声語に使うと出ている。擬態語はひらがなです。二年生で習っているはずですけれど、めちゃくちゃだからそこも直す。しようがないから一時間使って擬態語と擬声語を教えなければいけない。耳に聞こえるのはこうだとかね。そうすると、五、六時間はすぐになくなってしまう。
(159頁)
補助(形式)動詞や補助(形式)形容詞は、ひらがなで表記することは、学習塾をはじめて間もなく、中学生用の文法書で知りました。「たりたり表現」や「擬態語はひらがな」で表記することにいたっては、今まで知りませんでした。小学校二年生で習うことと知り、恥じいっています。