TWEET「秋立つ日によせて」
立秋の日の今日、野分立ち、時折吹き荒れる強風に、草木は恣(ほしいまま)にされている。
立ちはだかるコロナ禍、打ち続く災害、連日の猛暑、秋立つ日の今日、終息を祈るばかりである。
「特段にどこの何が秋めくというのでもなく、それでいて秋のけはいがたつという季節の体感こそが、じつはこの国の秋の感触なのだろう。
空もおおかたの様子が艶だといい、秋のけはいとともに感じるものは、これまた風のけしきだという。
とくに涼気が漂ってきた、天地宇宙の全体が緊張へと向かっていく、そんな季節の移行が秋なのであろう。」(中西進『ことばのこころ 』東京書籍)
喧しい渦中にあるいま、思うは、静謐の秋への速やかな「移行」のことばかりである。