TWEET「処暑の日に李白を思う」
「処暑とは、厳しい暑さの峠を越した頃、朝夕には涼しい風が吹き、心地よい虫の声が聞こえてきます。暑さが和らぎ、穀物が実り始めますが、同時に台風の季節の到来でもあります。」
まだ明けやらぬころ、窓を開け放った。秋気をはらんだ涼風が心地よかった。西の空を望んだが満月の影はなかった。
酒仙と称される李白は、酔いに任せ、舟遊びの最中(さなか)に、川面に浮かぶ明月を手にしたく、手をさし伸べ、転落して溺死した、といわれている。詩人として、これほどみごとな最期を、私は知らない。
あと幾順かすると、仲秋の名月である。明月のことは李白に倣うに如くはなく、と固く信じている。
立ちはだかるコロナ禍、梅雨時を思わせる長雨、打ち続く災害、処暑の日の今日、終息を祈るばかりである。
整然たる日月星辰の運行が救いとなっている。