「井筒俊彦『イスラーム哲学の原像』_はじめから」

 弟の帰省時(2018/06/01-04)に、
◇井筒俊彦『イスラーム哲学の原像』岩波新書
◇河合隼雄,茂木健一郎『こころと脳の対話』潮出版社
の二冊を渡した。
 その翌日には、早速、自身二冊目となる、
◇井筒俊彦『イスラーム哲学の原像』岩波新書
が届いた。そこには、これを機に、本書の再読を、という企図があった。
 いま、「Ⅶ スーフィズムと哲学的思惟」にさしかかった。話は、
「イスラームの神秘主義、スーフィズムはどのような点で哲学的思惟と結びついていくか」(104頁)
におよぼうとしている。
「その最初の、そしておそらく最も偉大な代表者がイブン・アラビーとスフラワルディーの二人であります。」(104頁)
との記述もみえ、佳境に入った感がある。

 第二テスト(2018/06/25-27)を中にはさんだとはいえ、遅々として進まない読書である。第一テスト(2018/05/28,29)の際に、やむなく中止した、
の再読は、「Ⅹ」章 244頁の、
「禅を無彩色文化とすれば、密教は彩色文化だ、と言った人がある。」
からいっこうに進展しないままに、今に至っている。まとまったものを読む際には、一気に通読しないとだめである。時間をおけば、鮮度が落ちる。いっそのこと、はじめから読み直した方がいい。
 テストのたびに、なぜ子どもたちといっしょになって、あくせく、あたふたしなければならないのか。「転ばぬ先の杖」を突きすぎている。先回りしすぎている。時間がないことを理由に、自戒としていることを軽々と乗り越えている。
 今年もまた、夏期講習が、目の前にちらつく季節になった。喧騒の夏はさっさとやり過ごし、静謐の秋に期することにする。