「立春の日に『あかあかあかやあかあかや月』です」

あかあかやあかあかあかやあかあか(表記は「くの字点」です)やあかあかあかやあかあかや月

山のはにわれもいりなむ月もいれよなよな(表記は「くの字点」です)ごとにまた友とせむ

上記の二首はいずれも明恵上人の詠まれた歌です。横書きでしか表記できないのが残念です。

 冷えこみがきびしく空気が澄んでいるのでしょうか。今時分の夜空には、輪郭のはっきりした明るい月がのぞめます。こうこうと貴(たか)く照る月です。冬の月は詩趣に富んでいます。「よなよなごとにまた友とせむ」とまでの親しみは、いまの私にはありませんが、月のない夜には一抹のさびさを覚えます。
 立春の日の今日は、日没時に上弦の月が南中します。