「月傾(かたぶ)きぬ 」


東の空が白みはじめ、西の空に「名月」がぶら下がっています。盛時に比すれば精彩をかき、心なしか霞んでみえるのは、私の僻目なのでしょうか。
東(ひむがし)の野に炎(かぎろひ)の立つ見えてかりへり見すれば月傾(かたぶ)きぬ 柿本人麻呂
とはいえ、やはり気になるのは、人麻呂が返り見た先の西の空です。

夜が明け、悲しいかな、「名月」は西の空にできたシミのようになってしまいました。