TWEET「茫洋茫洋」

 「ボーヨー、ボーヨー。前途茫洋」とは真理であり、「自信がある」と言い、「自信がない」と言うも、「自信などという」つまらないものは、いつも「ケチ臭い」。中原中也の口をついて出ることばと小林秀雄の呼応は、そのままに一編の詩である。
 心身は一如であり、処することのできない「悲しみ」を内奥に宿し、「悲しみ」に絡めとられるままに生涯をおくった、「生まれ乍らの詩人」の「肉体」は、虚弱だったことは想像に難くない。心のままに、あまりにも無防備だった中原中也の「肉体」は、さまざまな病態を呈したことだろう。「汚れつちまつた悲しみ」を映した「肉体」を、目のあたりにすることは「辛い」ことだった。天与の才は、先天的な体質と道連れだったことを思うと複雑である。

以下、
中原中也「ああ、ボーヨー、ボーヨー」

です。