TWEET「夏草や」


 一夏中、庭に手を入れずに過ごしました。これは見ものとばかり、草には一本たりとも手をかけず、放っておきました。我が家の庭はすごいことになってしまいました。直立するヒメムカシヨモギが群生し、高いものは軒を超え、いったいどこまでとどくものやらと、期待もし、また楽しみにもしていましたが、軒を 30cm ほど超えたところで、穂を出し、花を咲かせ、実を結びました。


 丈の高いヒメムカシヨモギが幅を利かせ、地面にまで陽がとどかず、いつもの夏とは植生がすっかり変わってしまいました。

 三日前シルバーさんにお願いして草を取っていただきました。四人がかりで 8時から15時まで、延べ 36時間におよぶ工程でした。シルバーさんからは、「こんな家も珍しい」とのおほめの言葉を頂戴し、いたく恐縮しました。

 地肌が露わになって殺伐とした庭は、季語を失い、おかげで「兵どもが夢の跡」に思いをはせるよすがを失くしてしまいました。これもまた無常なるが故ということなのでしょうか。