TWEET「教 養」

◆ 池上彰,佐藤優『人生に必要な教養は中学校教科書ですべて身につく ー 12社54冊、読み比べ』中央公論新社
が、2020/06/23 に出版されることを知り予約した。そして届き次第 読んだ。
 義務教育 9年間の知識を身につければ、社会にあって物知りとして通るだろう。その後、各人の興味・関心の赴くままに、それらを敷衍することは比較的容易であると考えている。これは、中学生を対象とした学習塾を20余年営んできた私の実感である。義務教育で培われた基礎学力はその後の自学自習の礎になるとは、決して当書のPRではなく私の確信である。ただし、「すべて」とは思っていない。
 小・中学校の教科書は4年ごとに改訂される。その都度、
「国語 ①②③」「数学 ①②③」「英語 ①②③」「理科 ①②③」
「地理」「歴史」「公民」
の、15冊の教科書を読むのは憂鬱である。
「歴史」の教科書が最も役に立っている。およその時代背景が分かると助かる。しかし、無味乾燥とした「歴史」の教科書を読むのは重苦しく、記憶しようとはせずに、通読を心がけてほしい。
 教養があろうがなかろうが、それは一向にかまわない。その人個人の考え方 次第である。ただ、美しい人・もの・ことに触れることなく、この世を去るのはいかにも惜しい気がする。(528文字)