エーリヒ・ケストナー作,池田香代子訳『飛ぶ教室』岩波少年文庫 141

二冊の本の到着を待ちながら、その間(かん)に、
◆ エーリヒ・ケストナー作,池田香代子訳『飛ぶ教室』岩波少年文庫 141
を読んだ。いまなぜ、『飛ぶ教室』かといえば、
◆ 河合隼雄著,河合俊雄編『〈子どもとファンタジー〉コレクション1 子どもの本を読む』岩波現代文庫
のなかの、下記の条(くだり)を眼にしたからである。
「『これから学校の教師となる人たちのために、是非読んで欲しいと思う本を五冊推薦していただきたい。』ある教育雑誌から、このような依頼を受けた。
(中略)
 私はともかく第一冊目に児童文学書をあげようと心にきめた」(23頁)
「ただ、この一冊となると選択に迷い、息子たちに相談したところ、全員一致で『飛ぶ教室』を推薦したので、私もそれに従うことにした。確かにこれは素晴らしい選択だ」(24頁)
 なお、帯には、「大人にも読んでもらいたい 子どもの本の数々 ー」
と記されている。

「確かにこれは素晴らしい」本である。登場人物が皆 個性的であり、特に、「ヨーハン・ジギスムント・ギムナジウム(高等中学)」と「実業学校」の決闘の場面は秀逸である。
 河合隼雄の、臨床心理学者としての解釈は、一貫している。書店での立ち読みで間に合うものである。せっかくならば、一冊のみでなく、ぜひ二冊 合わせて読んでいただきたいと思っている。特に、先生方、子育て世代の方々に読んでいただきたいと思う。
 ちなみに、対象年齢は、「小学 4・5 年以上」と書かれている。